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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2008年 11月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 34
磨礪邃養 (まれいすいよう)

  鍛錬の鍛は千回、錬は万回

人づくりの道標を示す言葉に「磨礪邃養」がある。  その出自は、中国古典の一つ、明の時代末期の『菜根譚』に記された一文から四文字を拾い上げたもの。
 「磨礪は当(まさ)に百煉(ひゃくれん)の金の如くすべし。急就(きゅうしゅう)は邃養に非ず。施為(しい)は宜しく千鈞(せんきん)の弩(ど)に似るべし。軽発は宏功(こうこう)なし。」これが、原文の読み下しである。
 礪とは、黒石のこと。
 磨礪は、磨くこと、研いで鋭くすることから、人を鍛錬するときに使う言葉である。同義語の砥礪(しれい)も研ぎ磨く砥石という意味があり、品性や学問などを修養する場合に用いられる。
 邃養とは、奥深いという邃に修養する養を加えたもので、精神を練磨し、優れた人格を形成するために深く修養を積むという意味がある。
 この文を解釈すると、次のようになる。
 自らを鍛える(磨礪)ときは、金を精錬するときのように、いくたびも練って純度を高める(百錬)ため、時間を焦ってはならない。端折って急げ(急就)ば、その値打ちが認められる二十四金(純金)や十八金(注1)にさえなれない(邃養に非ず)。
 事業(施為)も同じ。介護事業所をはじめるに際しては(千鈞の弩=発射装置のついた重たく大きな弓を引くとき)、人事を含めたあらゆることに配慮しながら、慎重になるべきである。思いつきだけではじめる(軽発)ようでは、真の成果(宏功)など期待することが難しい。
 トップは、自らの資質を鍛えるという日々の鍛錬を怠ってはならない。
 鍛錬は、金属を鍛え練るという意味の他に修養を積んで心身を鍛えたり、技能を磨いたりするためにも使われる。
 宮本武蔵の『五輪書』、柳生宗矩の『兵法家伝書』には、鍛錬の鍛は千回、錬は万回の繰り返しにあると記されている。


自分を磨くのは一生の課題

 「メッキが剥がれる」とは、外面の飾りがとれて悪い中身が暴露すること。
 「化けの皮を現す」と同様、その人がつくろって包み隠していた本性があらわれてしまったことを指す。
 ピンチの状態に陥ったとき、不純物ともいえる「六弊」(注2)を撒き散らして、スタッフとの対人関係を悪化させる者がいる。
 付け焼刃のマネジメント管理に励むのみでは、何の解決もありえない。
 まずは、体裁にこだわることなく、次の五項目から点検するとよい。

一、「言った」からといっても、
  「聞いて」もらえたわけではない。
二、「聞いて」もらえたからといっても、
  「聴いて」もらえたわけではない。
三、「聴いて」もらえたからといっても、
  「理解して」もらえたわけではない。
四、「理解して」もらえたからといっても、
  「賛成して」もらえたわけではない。
五、「賛成して」もらえたからといっても、
  「腑に落ちて」「納得して」「行動しようと思って」もらえたわけではない。

 その上で、スタッフが実力を発揮しない真の訳を探ってみるとよい。
一、自分が何を期待されているのか、ホントのところ、わかっていない。
二、取り組み方が、わかっていない。
三、取り組む理由が、わかっていない。
 つまり、分かる、判る、解るということの落とし込みが出来ていない。
 このような介護現場だとしたら、問題山積して有能な人材が去るばかり。
 トップは、自分を磨くのは一生の課題として「磨礪邃養」に真摯に向き向き合うことである。

(注1)金の含有量が全重量の24分の18の合金。残りは、銀・銅など。
(注2)本誌2008年8月号本欄参照。
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