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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2008年 10月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 33
巧詐拙誠 (こうさせっせい)

 「誠に勝る策はない」

第4期介護保険事業計画がスタートする来年4月に向けて、現在の要介護認定をするための1次判定に調査する82項目を65項目(23項目削減、6項目追加)に削減するとの試案が示され、「介護給付費抑制が目的」の批判があった。
 9項目を残す“妥協案”が出て、調査項目に関する討議は落ち着いた。
 一次判定の調査項目見直しが課題だったものが、認定調査や審査会の時間短縮など現場業務の「効率化」の下、軽度者の切り捨て御免となるところだった。
 「効率化」は、先の改正の際、「制度の持続可能性」のために給付の効率化と重点化として登場したものだが、その矛先は介護事業経営にも注がれよう。
 『韓非子』の中に「巧詐は拙誠に如かず(巧詐不如拙誠)」という一文がある。
 「巧詐」とは、巧みに欺くこと。
 たとえば、素晴らしく思えるような策を言葉巧みに用いることで、一時的に人の目を誤魔化すことができたとして、覆い隠したことが馬脚をあらわすようにして暴かれてしまうようなこと。
 「拙誠」とは、拙(つたな)くとも誠の心を貫いた愚直な姿勢を示すこと。
 拙いとは、巧みでないこと。巧の対義語であるとともに、能力や品格が劣るなどの意味もある。
 ただちに人の心を掴むこと、虜にするようなことなどが下手でも、時が立つにつれて人の心にひたひたとしみいるように誠実さが伝わる人がいる。
 拙く、巧みでもない。その上、能力や品格が劣っていたとしても、「誠に勝る策はない」と誠を尽くすことのできる「拙誠」の人を貫けることの大切さ。
 誠は、「その心を正さんと欲する者は、まず、その意を誠にす」の「誠意正心」に通じる。(※)
 介護事業に携わるトップは、ひびきの良い“介護の社会化”という「巧詐」の掛け声に甘受することなく、自らが「拙誠」の姿勢を通して、地域社会の共創と人財育成を惜しまぬことである。

誇りとホコリの勘違い

 収益力を上げるためにも「効率化」は、避けて通れないと考えたがる事業者が少なくない。
 その代償として失うものが、“ムダ”であるといって過言ではなかろう。
 日頃、口癖のように「ムダな出費」とか、「ムダな努力」などと言っているトップは、諸物価上昇の折、ここぞとばかりに「効率化」を口走りかねない。
 掃除は、毎日の業務の一つ。
 掃いたり拭いたり、およそ下向き目線となるのが一般的だ。
 事業開始から5〜9年を経過した事業所の責任者は、吹き抜け、階高(床面から直上階の床面までの高さ)の天井があれば、しっかりと目を凝らすこと(年に一度の大掃除で天井のスス払いをしているところは、あまり心配は要らない)。
 ツララ(鍾乳洞)のように垂れ下がるホコリの柱を発見することが、しばしばある。多年に渡って細かな塵や綿などが布地のクロス張りの天井や縁などに付着して、すだれ状になっているケースもある。ホコリのツララ(鍾乳洞)が空中に漂えば、利用者(職員)の誰かが、高い確率で吸引することが考えられる。
 開設が長くなれば、非日常の大掃除は疎かになりかねない。職員のみならず建物もケアをしているとの視点があれば、利用者への目線は360度に広がるものの、これが「効率化」の下で省かれていたとしたなら・・・。
 ケアの質の高さを問い直すためにも、誇りとホコリを勘違いしないよう、トップ自ら率先して除去すること。「拙誠」は、危険予知・リスク管理につながるものと心得たい。

(注) 本誌2008年2月号本欄参照
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