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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2008年 8月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 31
六言六蔽 (りくげんりくへい)

好仁不学 其蔽也愚(じんをこのみてがくをこのまざれば そのへいやぐ)

努力を重ねて学問や教養を積んだ人は、六つの備えた徳を大いに発揮することができるようになるのだが、これを怠ると六つの弊害が生じて六つの徳の発露を妨げるばかりか、他の人に災いを撒き散らしてしまうという意味を持つ「六言六蔽」が『論語』にある。
 「仁を好みて学を好まざれば、その蔽や愚。知を好みて学を好まざれば、その蔽や蕩(とう)。信を好みて学を好まざれば、その蔽や賊。直を好みて学を好まざれば、その蔽や絞(こう)。勇を好みて学を好まざれば、その蔽や乱。剛を好みて学を好まざれば、その蔽や狂(貨陽17)」
 「六言」は、仁(愛情・友愛)、知(知恵・知識)、信(信義)、直(正直)、勇(勇気)、剛(剛強)の六つの徳のことをいう。
 「六蔽」は、愚(愚直・暗愚)、蕩(放蕩・だらしない)、賊(有害・人を損なう)、絞(緊迫・厳しい)、乱(無秩序)、狂(狂気・思い上がり)の六つの弊害のことをさす。
 「蔽」は、遮蔽(覆い隠して、他から見えなくすること)、隠蔽(人または物が目につかないよう覆い隠すこと)などからもわかるように、他の人に見られたくない、見せたくない場合などに用いられる。
 この話は、孔子への暴力がきっかけとなって弟子入りした最年長の子路に語った一節にある。
 剛勇、純情、真正直で信義に篤い性格ながら無頼(正業につかず、無法な行いをする者)の彼は、後に孔子の人間的魅力に惹かれて入門することになる。

リーダーにとっての人望とは

 仁(徳)を好んでも学問を好まなければ、正しい判断が(情に流されて欺かれる、何かに眩(くら)んで全体を見失うなどから)出来なくなるという愚の蔽(弊害)が生じる。
 知(ものがわかること)を好んでも学問を好まなければ、(空理空論に走って支離滅裂となって)とりとめがつかなくなるという蕩の蔽が生じる。
 信(義)を好んでも学問を好まなければ、(過信、軽信、迷信、小信を固守して全体が見えなくなり、自分が騙されたと思うと)人を傷つけてしまうという賊の蔽が生じる。
 (正)直を好んでも学問を好まなければ、(他人の心中を推し量る、推察するなど)人の過失を直裁に非難・批判して対人関係を窮屈にさせるという絞の蔽が生じる。
 勇(敢)を好んでも学問を好まなければ、(いたずらに血気に逸って)家庭や地域社会の秩序を乱すという乱の蔽が生じる。
 剛(毅)を好んでも学問を好まなければ、(剛毅一徹となって顧みることをしないから)狂気の沙汰に走るという狂の蔽が生じる。
 ここでいう学問とは、『大学』の「三綱領(一、明徳を明らかにする。二、民を新たにする。三、至善に止まる)」(注1)のこと。
 一、自分が生まれつき持っている素晴らしい徳を発現すること。
 二、自分の修養にとどまらず、他の人にも及ぼすことで、一人ひとりの徳を発現するように導くこと。
 三、この二つが到達した状態を維持できるように自覚するように努めること。
 人格修養に励んで六つの徳が高まれば、自ずとリーダーの人望にもつながる。
 「リーダーにとっての人望とは、部下を引っ張っていく能力ではなく、部下がついてきてくれる能力である。そして、それは、リーダーが決めることではなく、部下が決めることである(注2)
 リーダーは、「六言六蔽の一部始終を部下に見られている」ということを真摯に自覚すべきである。

 (※1) 本誌2005年2月号本欄参照
 (※2) プロフットボール名QB スティーブ・ヤング氏の言葉
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