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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2008年 7月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 30
克己復礼 (こっきふくれい)

當仁不 譲於師 (じんにあたりては しにもゆずらず)

ある法人の研修会終了後、受講者(職員)の1人から「事業者の良し悪しを見極めるポイントとは何か!」という質問をもらった。
 「“誰が正しいのか”ということばかりに着目して、“何が正しいのか”という視点を見失うような職員が一人でもいる事業者は良くないところで、良い事業者はこの逆である」と伝えた。(※1)
 新人ならいざ知らず、経験豊かな上司や先輩までもが、トップの顔色をうかがって仕事をしているところがある。
 トップであろうと、時として間違ったことを行うこともある。
 これが進むと、反省の二文字を忘れた厚顔無恥な人となる。
 間違いを改めないのは、それを正そうと指摘して、叱ってくれる人がいないからである。
 孔子の三千人の門弟の中でも最高位の人といわれた顔淵(がんえん)は、『論語』300篇の重要な場面にしばしば登場する。
 彼は、孔子哲学の根幹の一つをあらわす「仁」という考え方について、単刀直入に「仁とは、何ですか?」と、師に尋ねている。
 孔子は、「克己復礼」の出自となる「己に克って礼を復(ふ)むを仁となす(顔淵12)」と答えた。
 仁とは、私利私欲という己の心にうち克って、社会規範という心がけ(マナー)の礼に立ち戻ることであるというのが、その意。
 仁を実践するためには、偉い人はもとより誰にだって遠慮はいらないという意の「仁に当たりては、師にも譲らず(衛霊公15)」という言葉もある。
 トップ自ら、「何が正しいのか」という視点(=仁)を見失ってはなるまい。

性相近也 習相遠也 (せいあいちかし ならいあいとおし)

 「もう少し、仁のことを噛み砕いて説明してください!」と詰め寄った門弟の子張(しちょう)に対して、「恭、寛、信、敏、恵(陽貨17)」の5つが重要であると、孔子は解説を加えている。(※2)
 恭(うやうや)しいとは、礼儀にかなって丁重なこと。これが行えたとしたら、人(※3)から侮られずにすむ。
 寛(おおらか)とは、度量がひろく寛大、寛容なこと。これが行えたとしたら、人(※3)からの人望が得られる。
 信とは、言葉をたがえることなく誠実なこと。これが行えたとしたら、人(※3)から信頼、信用される。
 敏とは、はたらきや動作が素早く機敏、英敏、敏感なこと。これが行えたとしたら、人(※3)が成し遂げなければならない仕事に対して功用、功能、功績を認めることができるようになる。つまり、賞罰の罰にのみ囚われず、信賞必罰の信賞(賞すべき功績のある者を必ず賞する)するなどにより、人(※3)のはたらき方が変わる。
 恵とは、情けをかけること、慈しむこと。これが行えたとしたら、人(※3)も骨身を惜しまずはたらくようになる。
 人の生まれながらにしての天性は、さして差があるものでなく、その後の生活習慣によって、大きな違いとなってくるという意味の「性相近し、習い相遠し(陽貨17)」という言葉がある。
 トップは、傍の者(利用者・職員)を楽にさせる、楽しませるという“傍楽(はたらく)”の視点を持つこと。
 事業者の良し悪しは、トップの克己復礼の姿勢に垣間見られる。

 (※1) 本誌2008年3月号本欄参照
 (※2) 本誌2006年3月号本欄参照
 (※3) 人(=職員、スタッフ)
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