新着情報 著書の履歴等 会社概要 リンクページ お問い合わせ
Contents Menu
会員専用メニュ
セミナー
経営(継栄)と人財創造塾
著書のご案内
経営のつぼ
寄稿原稿
講演の履歴
セミナーの告知&申し込み
ブログはこちら
経営のつぼ
経営のつぼ
経営のつぼ5 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ5

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2003年11月号
経営(継栄)の奥義は、「のれん商い」から学びとれ

飽きない(商い)が肝心

 今日、わが国の伝統的な経営(継栄)手法として受け継がれてきた「のれん商い」は、どの業界でも死語になりつつある。  「のれん(暖簾)」とは、いうまでもなく、家の軒先や玄関口の日除け、または、部屋の仕切りなどを目的として垂らす短い布のことである。とはいえ、カーテンやブラインドほど用いる機会が少ない一般家庭では、「のれん」を飾ると、踊りなど芸事の師匠の家のようだなどという一種独特の雰囲気が生まれるため、敬遠する向きも少なくない。  もともとは、禅家で寒さを防ぐため簾(す)の隙間をおおう布のとばりのことを指していた。これが、江戸時代に入ると、商家が屋号・商号などを染め抜いて店頭に掲げたことから、「看板」と同じような意味をもつて使われるようになる。旅館、割烹料亭、そば屋などの店をはじめ、多くの店舗で見ることができる。  「のれん」を掲げるということは、創業したのと同じ意味を持つ。掲げた「のれん」は、掲げ続けることで、その意義が生まれる。しかし、掲げ続けることに飽きてしまう。飽きない(商い)ことが肝心だ。また、掲げた「のれん」を守る意識が先行すると、「のれん」に後生大事としがみついて、いつしか「のれん」負けの憂き目を見るようになる。  創業が百年、二百年前に遡るような和菓子、酒蔵など伝統的製造・販売を伴う“商い”の世界では、「のれん」の構造上の特徴を比喩して、『縦糸に信用、横糸に信頼という二文字を織りつづけること』など、先人の言い伝えが今も息づいている場合が少なくない。

後継者の育成に全力投球を

  ここ数年、わが国に相次いで起きた経営の不祥事(食品業界等の各種偽装事件、拡大経営路線にみる経営破たん、リコール隠し等)の中には、名門企業による組織的犯罪として「人としてあるまじき、信用を失墜させる行為」と映るものが少なくない。ある意味、「のれん」に腕押しといわざるを得ない事態(“バレたら辞めればよい”)が、社会現象として頻発している。  「のれん」にあぐらをかきすぎて不祥事の上塗りを重ねた名門企業は、「のれん」に傷をつけただけに止まらず、顧客との信用や信頼をないがしろに放置したため、終には「のれん」を下さざるをえなくなった。事件を起こした当事者は、守るものが組織であり、組織を支えあう上司、同僚、部下とその家族だった。「守るべきものを履き違えている」と側から指摘したところで、後の祭でしかない。  だからといって、『「のれん」も地に落ちた』と悲観するのは、お門違いだ。問題の本質は、「のれん」を掲げた大人が地に落ちたことであり、その大人の手によって「のれん」に泥が塗られてしまったことである。  残念ながら、介護業界にも対岸の火事として見過ごす訳にはゆかない。厚生労働省の調査によれば、各種の不正行為から指定が取り消された介護事業者の数は、介護保険制度が開始から92件(平成15年8月31日現在)にのぼり、全国30都道府県の87事業者、145事業所7施設に及んでいる。現在の厳しい経済環境の下、経営が行き詰まる懸念は、介護事業者とて例外では済まされない。  掲げた「のれん」は、次に受け継ぐ相手、つまり、事業を継承する後継者の育成なくして掲げ続けることは、決して生易しいことではない。  「のれん商い」から、経営(継栄)を学ぶ所以がここにある。
TOP   
Hayakawa-planning.com Home Mail