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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2007年6月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 P
啐啄同時(そったくどうじ)

「躾(しつけ)がなってない!」
「不満を持つ顧客はテロリストになる」とは、マーケティングの大家、フィリップ・コトラーの言葉である。
 ある介護施設を訪問した際、「(この施設はスタッフの)躾がなっていない!」とボヤいた利用者の声を耳にする機会を得た。
 「(この施設はスタッフの)躾ができていない!」という。
 要介護者層が、措置の時代と確実に変わったことを示す一例である。
 当の施設は、経験豊かな有資格者が揃っていて、各種の研修にも積極的に出かけている。
 介護に関する知識や技術習得には意欲的だが、その成果が利用者にはあまり伝わってこないようだ。
 躾とは、身につるべき礼儀や作法のこと。仕付けにもつながる。
 仕付けは、着物の縫い目を正しく整えるための仮縫いなどを指すが、これが出来ないと着物が縫えない。
 何事であれ物事を成すとき、用意周到に準備しなければならない心得るべきものといってよいだろう。
 家庭(親)の躾にはじまり、現代では死語となった「躾奉公」もある。
 礼儀や作法を点検するための合言葉として「FUMIKOさんがポイント」を点呼してはどうだろう。
 FU 振舞い方は、どうか?
 MI 身だしなみは、どうか?
 KO 言葉遣いは、どうか?
 利用者の不満は、決して難しいことを求めているのではない。
 この一件から「私たちがいなくても利用者は困らないが、・・・」を思い出したという施設長は、「利用者に向かって謙虚に“ありがとうございました”」と心の底から言えるサービス提供責任者となれるよう自らに喚起を促したいと語ってくれた。(注1)

「賢所に賢書、賢者あり」
 不満を持つのは、なにも利用者ばかりではない。
 スタッフだって同じこと。
 育成して、それなりに処遇してきたはずなのに。
 辞めたスタッフならいざ知らず、勤めていながら、職場の悪口雑言を周囲に公言する者もいる。
 「不満を持つスタッフはテロリストになる」との言葉に身が縮む思いの事業者も少なくない。
 禅語に、「師と弟子の働きが合致する」という意味を持つ「啐啄同時」があるので覚えておきたい。
 「啐」は鶏の卵がかえる時、殻の中で雛がつつく音のことであり、「啄」は親鶏が殻を外から噛み破るさまを指す。これが同時に行われることで、師と弟子の機縁が一体となって合致した働きをすることをいう。
 スタッフの「啐」の声(不満)を聞いて、リーダーは「啄」を行っているだろうか。
 「やってられない!」と、ついぼやく愚痴は不満の意思表示。
 「何を言うか」と怒るようでは、人並みリーダーでしかない。
 人に秀でたリーダーは、「(やってられるようにするには)どうしたらいい?」と、愚痴を疑問(愚問)へ、そして意見へと引き上げてゆく工夫、つまり、ピンチをチャンスに変える仕組みを組み立ててゆく。(注2)
 業務改善の一歩は、こんなところからはじまるものである。
 長野県の宅幼老所にて、利用者の記した「心に響く言葉」が掲げられていたので紹介したい。

 子供を叱るな来た道だ
 年寄りを嫌うな行く道だ
 思いやりこそ人の道だ

 賢所に賢書、賢者あり。


(注1) 本誌2006年3月号本欄参照
(注2) 本誌2007年4月号本欄参照
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