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経営のつぼ41 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ41

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2006年11月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 I
桃杏成蹊(とうりせいけい)

「人材か、人手か」 本音はどっち!
介護事業所の中には、人材募集、人材育成とは裏腹に人手さえ集めればよいとの考え方が跋扈(ばっこ)している。(注1)  早い話、猫の手も借りたいと、人の手間のみを欲しているだけ。  人財という美辞の影に隠れ、当て職の人在確保という実態も否めない。  極論すれば、人物ではなく、その人が取得した資格と経験のみが求められているといって過言ではなかろう。  読者から、一年間の離職が80%を越える事業所。中には90%越すところもあるのだと聞かされた。  昨今は、事業所の方針に“合わない”とダメだしの烙印を押されたスタッフは、間髪おかずに切り捨てると息巻くオーナーも少なくないという。  所長のやり方についていけないスタッフ複数名が反旗を翻し、散々に事業所をかき回した挙句、退職した例だ。  プライドが強くて自らの非を認めない所長は、スタッフとの人間関係に自信を喪失して、新規採用には消極的。シフトのやりくりが回らず、残ったスタッフは疲労困憊でクタクタ。  それを尻目に、辞めたスタッフが事業所を近くに開設して、泥仕合の様相を呈しているとか。  人材を人罪に貶(おとし)め、敢えて腐らせるように仕向ける組織も少なくない。  一方、面談時間を十分に確保した上、採用後は「簡単に辞めさせるようなことは絶対にしない!」と、語気を強める施設長もいる。  ここでは、日々、施設長とスタッフが、切磋琢磨によって築き上げた知恵の汗が、アセスメント表の創意工夫につながり、入居者を通してケアの質を高めるエビデンスの蓄積の輪が広がっていた。  「私の子供が年老いた頃、充実したケアが行われているとの気持ちで、スタッフと一緒に魅力的な介護現場作りを目指している」と、介護職が口にした働き甲斐めいた言葉が印象的だった。  「玩人喪徳・玩物喪志(がんじんそうとく・がんぶつそうし)」を率先垂範する模範例である。(注2)

スタッフの共生型が人財育成のバネに
中国の古典「史記」には、「桃李(とうり)言(い)わずして下自ずから蹊(みち)をなす」という言葉がある。  桃や李(すもも)の木は、よい香りの花を咲かせ、美味しい木の実をつけることから、これを求めて自然と多くの人が集まり、やがて道ができてしまうというのがその意味で、略して「桃李成蹊」という。  プロゴルファーの夢を抱いて有名プロの門を叩いたら、既に何人ものプロ入りを志す卵たちが弟子入りの順番を待って行列する有様といってよい。  在日フィリピン人の働く介護現場(注3)もあれば、親の虐待から逃れるため養護施設預かりとなった障がいを持つ子供を引き受け、退所の後、職員として採用しているところもある。  少年院を出所した若者を受け入れるところ、元ヤクザの若者を介護職として更生させて育てているところもある。  資格倒れの有資格者ばかりを揃えがちな事業所を見ると、寄り道の人生経験が豊かな若者が加わることで、多様な価値観がスタッフ全員に漲っているという雰囲気が、不思議なくらい手に取るように伝わってくる。  社会復帰の受け皿と考えて就労環境を整えた訳ではないが、採用は桃杏成蹊の状態にあるという。  介護の現場では、要介護者と障がい者、幼児などを一体的に支える共生型事業の仕組みが浸透する地域もある。  「人としての素養、資質を高める工夫こそ率先すべき」と、人材確保・育成の一つである伝統的な住み込み型雇用形態を通して、人づくりに余念のない事業者もいる。

(注1) 本誌2003年8月号本欄参照
(注2) 本誌2005年8月号本欄参照
(注3) 本誌2006年9月号本欄参照
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