新着情報 著書の履歴等 会社概要 リンクページ お問い合わせ
Contents Menu
会員専用メニュ
セミナー
経営(継栄)と人財創造塾
著書のご案内
経営のつぼ
寄稿原稿
講演の履歴
セミナーの告知&申し込み
ブログはこちら
経営のつぼ
経営のつぼ
経営のつぼ40 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ40

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2006年10月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 H
上善如水(じょうぜんはみずのごとし)

「セレンディピティ的思考」
最近「セレンディピティ(注1)」という言葉に出会った。恋愛映画の「セレンディピティ」を思い出す人もいるだろうが、少し違う。インドの東側にある島国、スリランカを舞台とした童話『セレンディップの三王子』について書かれた物語に由来する。
 セレンディプの王国時代、3人の聡明な王子がいて、航海に出で見聞を広めたいと父である王に申し出る。当時、国を悩ませる龍がいた。王は、「龍を退治するための方法を探すように」との条件つきで航海を認め、王子たちは緻密な計画を練り上げて意気揚々と船出した。だが、暴風雨に遭い、海賊に襲われ、次々とアクシデントに見舞われる。予想をはるかに超えた想定外の体験を幾度となく繰り返した。何とか大航海から戻ったが、肝心な王からの命令を果たせられなかった。しかし、貴重な経験を積んで見事に逞しく成長した姿を通して、求めていた以外のものが得られたということに王と王子それぞれが満足したというのが大筋である。
 「始点(目標)」に対する「視点(現在)」から「支点(課題)」を導く創意工夫こそ、介護職の腕の見せ所・・と先月号に記した。目標と課題を明確に導き出したとしても、現在の状況が固定概念で覆われて閉塞状態から抜け出せない介護現場もある。そんな現場の上長に「セレンディピティ的思考」を紐解いてみたい。

「変幻自在な柔軟性という能力」
第3期の事業計画を策定する際、「介護保険3施設と介護専用型の居住系サービスの整備目標」が示された。2004年度からは、要介護者(要介護2−5)を分母に、介護保険3施設とグループホームや特定施設を分子として算出した41%を37%の水準まで落としてゆくというもの。グループホームや特定施設は、総量規制の導入によって事実上、新規開設が凍結状態に追い込まれた地域も少なくない。11年度末の廃止が打ち出された療養病床は、転換先の確保が必死となり「選択と集中」の決断を迫られる時代が到来した。(注2)
 介護事業者は、いかなる形態の法人であろうと「セレンディピティ的思考」を持ち合わせた人財をフォーカスして資源に磨きをかけねばなるまい。
 「セレンディピティ的思考」とは、
 一、狙ったものよりも、その横にもっと面白い発見をする能力 二、今まで分かっていたのに気づかないことが明示化される能力 三、これまでの結びつきではない、別の結びつきを見つける能力・・を指す。例えば、困難を乗り越えながら宅老所というサービス形態を認知させたような能力(=偶然を必然に置き換えた能力)といってよい。次代を担う後継者(王子)のいるトップ(王)は、団塊世代が台頭する10年先を睨んで、新たなサービスを開発するためにも「偶然の幸運に出会う能力」を引き出すための大航海に旅立たせるような経営の託し方があっても良いだろう。
 水は、丸い容器に入れると丸く、四角い容器に入れれば四角へ変わる。相手に逆らわず、いかようにも体制を変える変幻自在な柔軟性という能力を持ち合わせている。
 物事の考え方、思考そのものが既成概念や固定観念に縛られていては、機敏な対応など難しくなる。組織や人事で、動脈硬化を起こすようでは法人の余命さえ危うい。老子は、水と同じように逆らわない生き方、なすがままにしてこそ失敗から免れるという意味の「上善如水(上善は水の如し)」を残している。これもまた、経営(継栄)のツボの一つであることを肝に銘じたい。
 本連載を初回から愛読されている人から偶然に聞いた「セレンディピティ」だが、通算40回を記す展開上に必然があったと理解している。感謝。

(注1)serendipity 訳「思いがけない発見、掘り出し物を見つける才能」
(注2)「本誌2006年9月号特別寄稿30−34頁参照」
TOP   
Hayakawa-planning.com Home Mail