新着情報 著書の履歴等 会社概要 リンクページ お問い合わせ
Contents Menu
会員専用メニュ
セミナー
経営(継栄)と人財創造塾
著書のご案内
経営のつぼ
寄稿原稿
講演の履歴
セミナーの告知&申し込み
ブログはこちら
経営のつぼ
経営のつぼ
経営のつぼ37 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ37

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2006年7月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 E
下学上達(かがくじょうたつ)

吾唯足知(われただたるをしる)
「吾唯足知」の四文字をみて、石庭で有名な京都・竜安寺の銭形つくばいを思い出した人もいるはずだ。  禅の格言を謎解き風に図案化し、「口」の字を囲んで「吾唯足知」が刻まれた手水は徳川光圀が寄進したもの。  人は、これで満足だということがない。次々と生じる欲望には際限がなく、それゆえに苦しむ。  どれだけ満ち足りればよいのか。飽きることなくそれを追い求めるのはなぜか。「吾唯足知」は悟道の妙である。  介護保険事業計画に基づいて整備が進んだはずのグループホームは、地域間で整備実績の違いが明確化した。  地域密着型サービスが「絵に描いた餅」と懸念の過ぎる地域もある。  制度開始前から認知症高齢者グループホームを立ち上げた草創期のリーダーから「わずか10年、隔世の感が否めない」と有相無相の開設に嘆く。  その上、世間を震撼させた殺人、火災、虐待など事件が相続く。  「走りながら考える」を売り文句にした当局の十八番は棚上げの状態。  作られすぎが否めないグループホームの実態把握を行わざるをえない地域は、基盤整備の再点検が不可避である。  供給過剰から経営危機に陥る事業者が続出するという不測の事態さえ生じかねない。単なる事業者の自己責任で片付ける訳には行くまい。  本誌6月号にて「グループホーム開設動向、データから読み取る傾向と展望」を寄稿した立場から、紙面を弁えることなく記した。

我を知る莫(な)きかな。我を知る者は、其れ天か。
日常の身近なところから学んで、次第に深遠な学問に進んでいく。これを「下学上達」といい、その出自は『論語(憲問14)』にある。  「子曰く、我を知る莫(な)きかな。子貢曰く、何ん為(す)れぞ其れ子を知る莫かなん。子曰く、天を怨まず、人を尤(とが)めず、下学して上達す。我を知る者は、其れ天か。」がそれ。  「私のことなど、わかってくれる者は世間にはどこにもないようだね」と孔子が子貢(高弟の一人)に対してぼやいた愚痴からはじまる。  「変なことをいわないで下さい。先生のことをわからない人なんて、いませんよ」と弟子が弁明に努める。  「私は天命の赴くまま、ここまできたのだから天を怨むようなことはない。諸国の君主たちは、私の説く「仁の政治」がわからない。このような戦乱の世では、彼らを尤めたところで仕方がない。日常の身近な暮らしを学び、それが次第に関心を育み、やがて高尚で遠大な学究の道に至った。その学びは誰のものでもない。世のため、人のために費やしたのであり、天が一番良く知っているはず」と孔子は語る。  普段の日常生活の中から学ぶという姿勢は、グループホームなど介護サービスにも相通じるものがある。  特に「家族団欒」は、重要な研修教材の一つだが、誕生会などの行事が先行する。家庭的な雰囲気とは裏腹に「何気ない団欒」の光景の再現が難しい介護職の生活実感の違いがそこにある。  下学を深めれば、認知症ケアの研修項目に「団欒研修」があって当然。  孔子は、今から約2550年前の魯の国(現在の中国山東省曲阜)に生まれた。人生の前半は魯の国の高官として「仁の政治」を実現。権力抗争で敗れて生国を離れた後半生は「仁の政治」を志す君主を諸国に求めた仕官遍歴。  時は下克上、戦乱が渦巻く春秋戦国時代。「仁の政治」に耳を傾ける君主は誰一人なく没年の間際に語った言葉。  介護事業者は、下学上達を自らの胸に毅然と刻める人でありたい。

(注)「本誌2005年2月号本欄を参照」
TOP   
Hayakawa-planning.com Home Mail