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経営のつぼ35 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ35

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2006年5月号
転期に立つ経営者の資質の鍛え方 C
長慮却顧(ちょうりょきゃっこ)

長期的な視野・大局的な判断
中学に入って間もなくした頃、「今からでも遅くない、小学校の算数を基礎からやってみるように」と数学の教師にアドバイスを受けた人もいるだろう。  介護サービスの「不易」にあたる@排せつ、A入浴、B食事、C認知症ケアは、小学校6年間の基礎過程。  これを縦糸として、中学の3年間、「流行」にあたる@口腔機能向上、A栄養改善、Bアクティビティ、C運動器の機能向上の彩を横糸に絡ませることによって、その人が要介護状態となっても尊厳ある自立を支える仕組みの輪郭を形成してゆくようになる。  この3年間、事業者は義務教育の仕上げ期間として、介護福祉士の配置を前提に「不易」と「流行」を二人三脚で両立させた事業経営が求めらる。  とはいえ、「流行(=加算)」のみに着目しすぎるのは危険極まりない。  例えば、いす、便器、浴槽などで座る、立つ、座位を保つなどの工夫や改善が大きく進歩したものの、運動器のそれは無防備な状態のため利用者が転倒する危険に晒されている。  多くの事業所では、スタッフの人員配置を厚めにする程度で、安全柵や補助具の設置などの工夫が中々見当たらないのが現状だ。  健やかに生活を送るための自立支援として彩られるはずの「流行」だが、検討を加える余地が多分にある。  「速やかなるを欲するなかれ。小利を見るなかれ。速やかならんと欲すれば、則ち達せず。小利を見れば、則ち大事成らず」と『論語(子路13)』にはある。  「速やかなるを欲するなかれ」は、「長期的な視野を持て」ということ。  「小利を見るなかれ」は、「大局的な判断をせよ」ということ。  あせらず、あわてず、目先の加算(小さな利益)に惑わされ、振り回されれば、落ちこぼれてしまう。  これでは、2015年に向かって大事を成すことなどとてもできるはずなどない。

利を興(おこ)すには太(はなは)だ急なるなかれ。
弊(へい)を革(あらた)むるには大いに驟(すみや)かなるなかれ。

「オムツが不要に」「排せつができるように」「トイレに行けるように」などの排せつケアの実践は、定着しているだろうか。  「不易」ができぬまま、導入する口腔ケアは「小利を見る」ことに終わる。  目先の利益に囚われて翻弄しかねない利用者は被害者となりかねない。  排せつに不安を持ったまま、口腔ケアを施されても食事は楽しくはない。  快食と快眠の状態から健やかさの状況把握する多面的なアセスメントを継続してゆくためにも、排せつの量などの見た感じを統一表記として記録にするとともに、介護スタッフ全員がその人の情報を視観察能力を共有化することで無理なく現場でモニタリングが実行でき、立ち話でも工夫次第でカンファレンスになるという多職種の協働(協同)が発揮できる組織体へとスタッフの意識改革が求められる。  安易な「流行」の取り入れは、不協和音が絶え間なく響わたりチームワークに亀裂が生じかねない。  中国の古典『呻吟語(しんぎんご)(治道篇)』には、「利を興すには太だ急なるなかれ。左視右盼(さしうべん)せんことを要す。弊を革むるには大いに驟かなるなかれ。長慮却顧せんことを要す」とある。  新しい事を興すとき、あわててはならない。前後左右をよく確かめてかかること。弊害を改めるときは、急ぎすぎてはだめ。  将来に思いをはせつつ、過去の成果の本末をよくわきまえよ。  呻吟の中から継栄のツボを見極めよ。

(注)「呻吟」の意は、うめくこと、苦しみ唸ること。
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