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経営のつぼ29 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ29

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2005年11月号
古に学ぶ経営者の資質の磨き方 M
視(し)・観(かん)・察(さつ)を高める

「トップは、三つの視点を養え」
「いい人材が少ない」「人材が育たない」と口にする人は、自ら人を見る目を養うことも大切な仕事の一つであるということを忘れてはいけない。 古から語り継がれる「視・観・察」は、人物鑑定法の一つ。  「其(そ)の以(な)す所を視(み)、其の由(よ)る所を観(み)、其の安んずる所を察(み)れば、人焉(いづく)んぞ叟(かく)さんや。人焉んぞ叟さんや(論語・為政2)」 孔子が云うには、「一つ目は、その人の振舞い方、その行為の善悪正邪をよく注意して視る。二つ目は、その人の行為の拠って来たる原因・動機(経験・経歴)をよく観きわめる。三つ目は、その人がどのような所に安らぎや落ち着き、何に満足するのかを察すること。誰でもこの様な見方ができるようになれば、その人の真の正体が筒抜けに分かってしまうもの。どうして隠せようものか」というのが、その意である。 「視」とは、直視、監視など、よく注意して見るという意味で使われる一方、敵視、疑問視など、みなすという意味で用いられることもある。第一印象も大事。しかし、通り一遍の見た目だけで判断するのは考え物である。  続いて、観察の「観」とは、参観、観光など、つまびらかに見ること、眺めること。展観、観閲など、広げて見せること。外観、壮観など、見た目の様子や状態。楽観、観念、価値観(人間観、人生観)など、物事に対する見方や見解などが求められる。 また、「察」とは、観察、診察など、詳しく調べること。その上で相手の思いや考え方を察知、推察など、推し量ること。 人材の獲得、育成、配置、評価、処遇には、三つの視点から見る目を絶やさないことである。

「紺屋の白袴となるな」
「視・観・察」は、利用者を“アセスメント”する上でも重要である。 要介護認定者は、サービスを利用するための認定申請にはじまり、審査会の判定を経て、介護サービス計画書が作成されるまでの間、健康状態、ADL、家族の状態などを踏まえた問題の特定やニーズの把握などについて、サービス担当者会議などを開きながら、認定者が受給者となるプロセスや受給後の継続管理など、徹頭徹尾に渡って“アセスメント”が行われている。  介護サービスでは、利用者を「視」「観」した後、その人がどのようなことに満足するのか、安らぎや落ち着きはどこを引き出したらよいのかといったことを「察」した取り組みの一例として、「家庭的な雰囲気」「一緒に暮らす」「なじみの関係」などをキーワードとしたグループホームがある。 認知症の人を「察」して科学するという実践から生まれたケアの手法といってよい。  そこには、入居者の残存能力に着目して家事能力に長ける利用者の満足(自信)を引き出し、共同生活介護という形態が編み出された。 入所の際、利用者が自宅で使っている私物(ベッド、布団、タンス・・)の持参など、「安らぎ」を見極める例は枚挙に暇がない。  これが、スタッフとなると中々できていないのが実情だ。 「百姓が葉大根を作るときは、一本一株をも大事にする。一つの畑の中には上出来もあれば、ヘボもあり、大小不揃いもあるが、それを大事に育てて、よきも悪きも食用に用立てするものである(注)」との喩えは、城の石垣の一つ一つの石の組み方にもつながる。 利用者への実践が、スタッフに対しては「紺屋の白袴」とならないよう人財育成にも腐心したい。

 (注)上杉鷹山の師、細井平州が米沢藩の藩校・興譲館で困窮した藩の財政再建のため次代を担う藩士らに行った講義を記した『嚶鳴館遣草(おうめいかんいそう)』の一文から。(本誌2005年9月号本欄を参照)

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