新着情報 著書の履歴等 会社概要 リンクページ お問い合わせ
Contents Menu
会員専用メニュ
セミナー
ブログはこちら
セミナーの告知&申し込み
著書のご案内
経営のつぼ
寄稿原稿
講演の歴史
経営のつぼ
経営のつぼ
経営のつぼ24 介護マネジメント塾 ..................... 経営のツボ24

早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2005年6月号
古に学ぶ経営者の資質の磨き方 H
リーダーに求められる「九つの徳」

帝王学と興亡の原理
「昭和」や「平成」などの元号採用に用いられた中国の古典『書経』は、中国古代の五帝のうち、堯(ぎょう)、舜(しゅん)及び夏(か)王朝を興した禹(う)、殷(いん)王朝を興した湯(とう)王、周王朝を興した武王らを取り上げ、それぞれの王朝が紀元前1600年代から紀元前700年代に辿った栄枯盛衰の治世を記した歴史書である。  夏、殷、周王朝を興した初代の帝(みかど)は賢者の理想像として、逆に、三王朝の最後の帝はリーダーとしての自覚を欠いた愚者の象徴として描かれ、後世の為政者が帝王学と興亡の原理を身につける教科書として広く用いられてきた。  冒頭に登場する堯は、適材適所に人材を登用。抜擢した臣下の意見に耳を傾ける姿勢を貫くなど、リーダーとしての優れた才能を発揮した。臣下の魏徴(ぎちょう)から「偏信を捨て兼聴に励む」(注1)ことを学んだ唐の2代皇帝・太宗の例にもつながる。  禅譲(注2)により帝位についた舜は、在位五十年を治めた。  舜は素晴らしい英知に恵まれながら、それをひけらかすことなく、周りの人々に何でも聞き、そのうえ身の回りのつまらぬ意見にまで注意深く耳を傾けて、そこから教訓となることを引き出して自らを戒めるように励んだこと。臣下(=スタッフ)の善行をみると、それが些細な善行でも称揚することを惜しまず、とても悪行を暴くような暇などなかったこと。臣下の間に極端な意見対立が生じると、両者を比較検討して妥当な結論を導くことに努めたことなどが『中庸』に記され、孔子も「無為にしてそれを治むる者は、それ舜なるか」と『論語(衛霊公(えいれいこう)15)』の中で高く評価している。

リーダーとは、かくあるべし
舜の譲位により即位した禹は、舜の重臣だった皋陶(こうよう)から「どんな相手にも思いやりの心を持って接すること」や「部下の人心をよくまとめ、親しまれるようにすること」に加え「自らの徳を磨き続けること」が欠かせないこと。また、有能な人材を臣下(=スタッフ)に登用するには、その人物が持ち合わせる「徳」を見ぬく力を養わなければならないことなどの指南を受ける。  なかでも、舜に示した「九徳(きゅうとく)」は、『貞観政要(じょうがんせいよう)』など中国の古典にしばしば登場するリーダーの条件であり、現代にも通じるものが少なくない。

 一、「寛(かん)にして栗(りつ)」 寛容だが、厳しい一面がある。
 二、「柔(じゅう)にして立(りつ)」 柔和だが、一本芯が通っている。
 三、「愿(げん)にして恭(きょう)」 慎重だが、てきぱきと物事を処理する。
 四、「乱(らん)にして敬(けい)」 有能だが、相手を見下さない。
 五、「擾(じょう)にして毅(き)」 大人しいが、強い意志力を持っている。
 六、「直(ちょく)にして温(おん)」 直情だが、心は温かい。
 七、「簡(かん)にして廉(れん)」 大らかだが、筋は通す。
 八、「剛(ごう)にして塞(さい)」 剛健(たくましくすこやか)だが、思慮深い。
 九、「彊(きょう)にして義(ぎ)」 強勇だが、善悪のケジメはわきまえている。

 以上の九項目のなかから三項目に該当する者はサブ・リーダー候補、六項目はリーダー候補としての要素があるという。早速、トップやリーダーは、自らの資質を自己評価してみるといい。  この逆は、「こせこせとうるさく、しまりがない」「とげとげしいのに、風見鶏」「不真面目で、つっけんどん」「事を収める能力がないのに、態度だけは居丈高」「粗暴だが、気が弱い」「率直にものを言わず、内心は冷酷」「何もかも干渉するわりに、全体がつかめない」「空威張りで、中身が空っぽ」「気が小さいのに、悪知恵だけは働く」となる。

 (注1) 2004年11月号、12月号本欄参照
 (注2)血縁に関係なく徳のある者に譲位するという後継者の選び方

 


TOP   
Hayakawa-planning.com Home Mail