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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2005年4月号
古に学ぶ経営者の資質の磨き方 F
切磋琢磨して、自らの経営を鍛える

切るが如(ごと)く磋(みが)くが如く、琢(う)つが如く磨(す)るが如し」
「切磋琢磨しよう!」  セミナーを受講した者同士が、つい口にする言葉の一つである。  「切」は、小刀や鋸(のこぎり)で切り出すこと。「磋」は、鑢(やすり)や鉋(かんな)で削ること。「琢」は、槌や鑿(のみ)で打ち叩くこと。「磨」は、砂や小石ですり磨くこと。  これらは、細工師が細工の工程に欠かせない修養の要素を表している。  「切磋」は、骨や角、象牙などを切って鑢などで擦り磨くなど成形してゆく段階。「琢磨」は、玉や石をノミやツチで形を整え、砥石で磨くなど仕上げ段階のこと。転じて、学問や修養によって自らの資質を向上させること。仲間同士が互いに戒め合い、励まし合い、また競い合って人格を磨き向上するという意を指す。その出自は『詩経(衛風淇奥篇・えいふうきいくへん)』(注1)だが、中国古典の『大学(第二章)』に記された「有斐君子、如切如磋、如琢如磨(略)如切如磋者、道学也、如琢如磨者、自脩也」と引用した一節のほうが良く知られる。  有斐(ゆか)しき(=才能豊かな)君子(=リーダー)は、まるで細工師が「切り込んだうえに鑢をかけるよう」に「切磋」して、「叩いたうえに擦り磨くよう」に「琢磨」して、どこまでも修養する。(略)君子は、「切磋」する者として、人としての営みを学ぶこと。「琢磨」する者として、自ら反省の上に立って修養することである。  「経営者の資質の磨き方」を学ぶ者は、「切磋琢磨」の語源とその真意に触れ、今一度、惜しみなく「切磋琢磨」を自らに課すことを厭わぬよう肝に銘じたい。

人はすべからく事上に在りて磨練せよ
折角、時間と金を費やしてセミナーを受講したところで、一夜明ければ、「切磋琢磨」が虚しい響きに終わる者も少なくない。「慌しい毎日の業務に翻弄されるばかりで、「切磋琢磨」するような暇がない」と考えるからだ。  介護の現場は、自宅ではない在宅として認知症高齢者グループホームや特定施設といった波が押し寄せた。今度の改正では、新たなサービス体系の確立として掲げられた小規模多機能型居宅介護という新しい波(=津波?)が目前に迫る。  「通い」を中心とした「日中ケア」を核として、様態や希望により「泊まり」を中心とした「夜間ケア」に「訪問ケア」が加わり、利用者への連続したサービスをフルタイムで提供することになる。その上、軽度者を中心とした介護給付から新予防給付への切り替えは、介護保険市場という島が「予防重視型システムへの転換」という名の地殻変動(=大地震?)によって分断され、介護事業経営に激震が走る。  認定者の急増に伴う財政の高負担に愁眉(しゅうび)を開いた当局とは異なり、改正に伴うルール変更が及ぼす介護事業者の経営は、今までにも増した先見性と洞察力を持ち合わせた経営幹部によるリーダーシップの発揮が問われる。  多くの事業者に危機感が希薄なのは、現在と同じ介護保険財源に基づく介護給付と新予防給付は地続きであり、橋を架けさえすれば往来の可能も容易であると高を括っている節があるからだ。  中国古典の『伝習録』(注2)には、「人はすべからく事上にあって磨練し、功夫(くふう)を做(な)すべし、乃(すなわ)ち益あり」とある。  介護事業を営む者は、日常(=仕事、生活)そのものが「常在学場」であり、その中で自らの経営を磨く(=事上磨練)ための創意工夫がいる。  在宅ケアを支える宅老所の生い立ちも、また然り。事上磨練の先を見据えた経営が試されている。

 (※1)『詩経』 中国最古の詩集で、経書の一つ。
 (※2)『伝習録』 中国明の時代に陽明学を確立した王陽明の主張をまとめた語録。
 


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