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経営上の問題の大半は、経営者の人間性に起因する
「経営がうまくいかない原因の大半は、人の問題に尽きる」といえば、「やはり、部下(社員・パート)が問題だ!」と短絡的な解釈に走りがちな経営者に対して、「そのような考え方をするあなた自身が問題である」と言っておきたい。
部下は、経営者や上司から何かにつけて「問題がある」と指摘を受け、叱られることもある。自分の言動に気づかされる機会は、意外なほど多い。
ところが、どのような問題でも原因を探ると、経営者にたどり着くことが少なくない。人は誰しも自らの言動の偏りに気づきにくい。経営者となれば、なおのこと。
「流水の清濁は、其の源に在るなり、と。君は政の源、人庶は猶ほ水のごとし。君、自ら詐を為して、臣下の直を行はんことを欲するは、是れ猶ほ源濁りて而も水の清からんことを望むがごとし。理として得可からざるなり」とは、『貞観政要(じょうがんせいよう)(論誠信第十七・第一章)』の一文である。
流れる水が澄んでいるか濁っているかは、水源の良し悪しにかかっている。濁った水源を放置したまま、水が澄むことを望むような経営者は自らを戒めるべきである。
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