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早 川 浩 士
(有)ハヤカワプランニング 代表取締役
2004年10月号
古に学ぶ経営者の資質の磨き方 @
諫言を用いて、自ら胸襟を正す

経営上の問題の大半は、経営者の人間性に起因する
「経営がうまくいかない原因の大半は、人の問題に尽きる」といえば、「やはり、部下(社員・パート)が問題だ!」と短絡的な解釈に走りがちな経営者に対して、「そのような考え方をするあなた自身が問題である」と言っておきたい。  部下は、経営者や上司から何かにつけて「問題がある」と指摘を受け、叱られることもある。自分の言動に気づかされる機会は、意外なほど多い。  ところが、どのような問題でも原因を探ると、経営者にたどり着くことが少なくない。人は誰しも自らの言動の偏りに気づきにくい。経営者となれば、なおのこと。  「流水の清濁は、其の源に在るなり、と。君は政の源、人庶は猶ほ水のごとし。君、自ら詐を為して、臣下の直を行はんことを欲するは、是れ猶ほ源濁りて而も水の清からんことを望むがごとし。理として得可からざるなり」とは、『貞観政要(じょうがんせいよう)(論誠信第十七・第一章)』の一文である。  流れる水が澄んでいるか濁っているかは、水源の良し悪しにかかっている。濁った水源を放置したまま、水が澄むことを望むような経営者は自らを戒めるべきである。  

「阿諛追従の徒」を避け、「諌議大夫」を重んじる
「経営者がなさねばならぬ仕事は学ぶことができる。しかし、経営者が学び得ないが、どうしても身につけていなければならない資質が一つある。それは、天才的才能ではなく、実は、その人の品性なのである」とは、ピーター・F・ドラッガーのことばである。  唐王朝の初代高祖李淵(りえん)には、三人の息子がいた。皇太子・建成(長男)と元吉・斉王(三男)は、実力と声望に優れる太宗(次男)を妬んで覇権を争うも「玄武門の変」で敗れる。一方、これを制した太宗が2代皇帝の座に就く。  『貞観政要』は、太宗とその補佐役魏徴(ぎちょう)の治世をめぐる問答集である。  この中で、皇帝がその地位・品格を磨くために「諌議大夫(かんぎだいふ)」の職位を太宗自ら定めたことが記してある(任賢第三・第三章)。  魏徴は、元々皇太子・建成の側近の一人だった。  彼は、皇太子・建成と元吉・斉王が太宗暗殺の計画を共謀していることを伝えていた。  事変の後、太宗は、兄弟間の反目を煽り立てた張本人として魏徴に詰問する。  これに対して「あの言葉を受け入れて策を講ずれば、このような悲劇は起こらなかったであろう。」と堂々と落ち着いた態度で彼は答える。  「謀反者や態度の曖昧な者は、利用できるが信頼がおけない。自らの敵に対して誠心誠意忠実であった者は、自身との間に生じた確執が改善されて信頼関係が確立できれば、最も信用できる部下になるはずである」と考えた太宗は、皇帝に遠慮なく諫言ができる「諌議大夫」という職位を魏徴に与え、唐王朝の基礎を確立してゆく。  経営者自らが招いた失敗に対して、部下から非難・叱責を浴びることが無いという組織では、「阿諛追従(あゆついしょう)の徒(=「諛臣(ゆしん)」)」(注)が跋扈(ばっこ)しやすい。  「諫言を用いて、自ら胸襟を正す」という経営組織の確立は、昨今、わが国の産業界を襲う一連の不祥事を紐解くまでもない。  組織内のリーダーとスタッフ、長と部下の関係によるとはいえ、その究極は、経営者と部下の関係にある。  介護事業者は、他山の石として見過ごさないことである。

 (注)「経営(継栄)のツボ」7月号参照
 

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